2012年5月25日金曜日

楽しいはずの山登りが・・・?


登山初心者がまず最初に購入するであろうと思われる物に「登山靴」「ザック」「登山ウェア」が挙げられます。 これらのものは基本中の基本なので財布の中身や使いやすさで選べばほぼ問題がありません。

 その次に商業主義に陥った「登山ショップ」がすすめるのは比較的高価な「レインウェア」を必ず薦めます。

右の写真はゴアテックス使用の高級レインウェアです。上下セットで3万円程度でかなりの出費になりますが、防水・透湿・防風性に抜きん出た性能を発揮します。
ですが、これはレインウェアとしての性能であり、防寒着ではありません。上記の性能に「防寒」性能は記載されていません。

【ゴアテックスの最大の特徴】

 ゴアテックスの最大の特徴は「蒸れにくい」ということです。

 合羽の最大の目的は「雨に濡れない」事であり、それを実現するためには水を通さない性能が必要となります。 コンビニで売っているビニール製の雨合羽は水を一切通しません。ですが10分も着ていると体中がびしょ濡れ状態になります。
 これは雨に濡れているのではありません。 体から発せられる「汗」でもって「びしょ濡れ」になるのです。 
 「ゴアテックス」は体から発せられた「汗」を水蒸気に変えて、外気へと放出する機能が備わっています。 それは同時に体温をも放出してしまいます。 熱を逃がす機能が「ゴアテックス」の機能であると言っても過言ではありません。
 それは、低体温症を更に加速させる機能がこの「ゴアテックス」にはあると言うことを理解しなくてはなりません。

「ゴアテックス」のレインウェアを着ると水分と一緒に体温も奪っていく!

と言うことを理解して下さい!!


私は山に登り始めてから5年になりますが、一度も雨に降られたことはありません。 それは何故か?
 答えは簡単です!  雨が振りそうなときは絶対に「山に登らない」と決めているからです。 

当たり前ですよね!。

 雨の中、合羽を着て低体温症や滑落、鉄砲水などの危険を犯してまで山頂にたどり着いても、素晴らしい展望など期待できません。

最高級の「ゴアテックス」レインウェアを着ても、命が保証されるものではありません。逆に「低体温症」になりやすいのが「ゴアテックス」のレインウェアです。

 これから夏山のシーズンになります。
夏山は、午前中は快晴でも、午後になると急激な雨に見舞われる事が多くなります。
 ただこれは予測可能な事であり、回避することも可能です。

 折角の日曜日に雨に降られたら「レインウェア」を着てまで山にのぼるのでなく、山の気象学でも勉強することも山登りの楽しみとなるでしょう。

【登山ショップの責任】
 
 どんなに優れた道具を使っても、雨や雪などを抑える効果はありません。 大自然に対して人間はあまりにも無力でしかありません。
 優れた登山ショップとは「いかに安全に山に登るか」と言うことを登山者に指導していかなくてはなりません。 自分達の「目先の利益」だけを求めていけば今回の悲しい事故を防ぐことは出来ません。

 
 最後に事故にあわれて命を落とされた方々の心からの冥福をお祈りします。

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